MOTO1オールスターズ モタード開幕戦@美浜サーキット。 ついにこの日がやってきました。
レイクラフトもモタードのレースは初めての体験なので見るもの聞くものすべてが新鮮です。
予選の土曜日はあいにくの雨。 モタードのピットは基本テントまたはチームによっては屋根付きピットなので、雨だとちょっと大変。 パソコンを開くのにも一苦労。 ロガーデータのダウンロードとECUのマップファイル注入のときだけバイクのところに行って作業し、あとはトランポ車内で仕事です。
これまでコラムではMITMAX(ミトマックス)こと三苫進選手のYAMAHA YZ450FとマイクロテックのECU M206の話題をご紹介してきましたが、実は今シーズンマイクロテックのECUを搭載して参戦するのはこのほかにあと2台あります。
一台は、IKKI(イッキ)こと森田一輝選手の駆るSuzuki RMZ450 ECUはマイクロテックのM206RMZ、
もう一台は、Yassy(ヤッシー)こと松本康選手が乗るHusqvarna SMR449 ECUはマイクロテックのM232GP3 です。
それぞれの車両にはそれぞれ特徴があり、またクセもあり、最適なECUを導入してここまでくるのは結構山アリ谷アリでしたが、開幕戦に何とか間に合いました!
モタードのレースウィークは土日の2日間。 土曜日の午前中に各クラス15分間の練習走行が4回。 車検のあと午後は15分間の公式練習、そして15分間のタイムアタック。 ホントに忙しいです。 同一クラスの各走行のインターバルは約1時間ほどありますが、1時間って実は凄くあっという間です。 データをダウンロードして解析し、ライダーのコメントを聞いて必要ならばECUのセッティングを変える。 これを3台この時間でやろうと思うと大忙しです。 走行1分前にギリギリでマップデータを送信なんてことも・・・
レースグリッドを決定するタイムアタックの結果は、2位にMITMAX, 3位 IKKI、 4位 Yassy とマイクロテック ユーザーが2ー4位をゲットという幸先の良い結果となりました。 ちなみに1位は Husqvarna SM450RRを駆る 金児隆太選手 若手No.1の期待のライダーです。 ディフェンディング チャンピオンの佐合選手は5番グリッドでした。
タイムアタックではヒヤリとする場面がありました。 タイムアタック開始直後、1コーナーで三苫選手が大転倒。 走行時間はわずか13分間しかありません。 ノータイムで万事休すかと思いきや車両を修復して残り2分でコースへ復帰、猛然とペースを上げなんと2位のタイムをもぎ取りました。 恐るべし!MITMAX ただ者ではありません。
翌日曜日は昨日と打って変わって快晴のレース日和。 昨日はブルーシートで覆われていたダートセクションも今朝は整備されて朝の公式練習から使用できるようになりました。
あさイチの公式練習の後、いよいよRace1 ダミーグリッドには緊張感が漂います。
Race1スタート。 ポールポジションのRYUTA選手がホールショット、続いてスタートに定評のあるIKKI選手が2番手に付けその後ろにYassy、MITMAX, 佐合と続きます。 レース中盤のダートセクションでMITMAXが痛恨のエンストを喫しその隙に佐合選手がパス、2位以下がバトルを繰り広げる間にトップのRYUTAが逃げ切り2位以下に1秒以上の差をつけゴール。
結果は、1位RYUTA、2位IKKI、3位Yassy、4位佐合、5位MITMAXとなり、マイクロテックの初戦は2、3、5位を獲得。
午後のRace2はRace1同様RYUTA選手がホールショットで2番手にIKKI, 3番手にMITMAX、4番手にYassyの順。
Race1で不本意な結果だったMITMAXはRYUTAを逃がすまいと猛追、レース中盤でIKKIを1コーナーでインから差し2位浮上。そのままのポジションをキープし、結局1位でゴールしたRYUTAに0.4秒の僅差でMITMAXが2位、3位IKKI、4位Yassyという結果で開幕戦Race2が終了。
歓喜の雄叫びをあげるMITMAX
Race1、Race2共にマイクロテックECUユーザーが表彰台の2位、3位を獲得するという大変うれしい結果となりました。
次は4月末の琵琶湖のレース。 今後の展開にもご期待ください。 そしてぜひモタードのレースの観戦にもお越しください。
さーっ! やって来ました! モタードの聖地 美浜。
以前「6Rに乗っとっと?」のコラムでSPA直入のことを小規模ながらいいサーキットとご紹介しましたが、美浜もなかなかのいいサーキットです。
お天気にも恵まれシェイクダウンには絶好のコンディション。
モタードもタイヤウォーマー使うんですね。(失礼しました。)
でも暖機は結構テキトーなんですね。 水温まだ40℃ちょいですけど・・・
あっ、もう走り出しちゃった。
ロードとは全く違う雰囲気です。
でも、楽しい! 掛け値なしに楽しい! この開放感と高揚感は何??? モタードは見るものを誰でも魅了するある意味魔物です。
スキーに複合という競技がありますよね。 ジャンプとクロスカントリーのコンバインド。 別名キング・オブ・スキーと呼ばれますが、モタードもそういった意味では、ロードとオフロードのコンバインド。 キング・オブ・モトと言っても良いんじゃないでしょうか。
さて、MITMAXのシェイクダウンはというと、始動性はまずまずです。 加速感も悪くない。 コントロール性は比較的リニア感あり。
ライダーのコメントを聞きながら丹念にマップを調整してゆきます。
シェイクダウンは無事に終了。
MITMAXのコメントは端的でポイントをついていてとても分かりやいです。
このあと美浜の開幕戦に向け走行できるチャンスはあと2回。
そして、いよいよ4月14・15日には、ついにMoto1オールスターズ@美浜が開催されます。
期待と不安とが入り混じった全日本スーパーモタードの開幕戦です。
レイクラフトは今シーズンMoto1オールスターズ全戦フィールドサービスの予定です。
モタード好きのあなた、そしてモタード未体験のあなたもぜひ モタードワールドにお越しください。
前回のコラムで、マイクロテックのECU M206をYZ450F用に設計変更してもらう話しをしました。
ちょうど昨年12月、マイクロテックに商談で訪問する機会があり、そのときに事情を説明して設計変更を依頼。 YZ450Fの配線図とトリガーパーターンなどの仕様を説明し、必要な変更部分を確認してもらい、なんと翌1月中旬にはM206がYZ450F用に変身して帰ってきました。
間にクリスマス休暇と、年末年始休暇を挟んだにもかかわらすこの早さ!
凄すぎるマイクロテック!
日本のECUメーカーには絶対まねできないワザですね。
というわけでECUの段取りは出来ました。
あとはいつもの大仕事、ベースマップ製作です。
オリジナルのハーネスとセンサー類、そして純正ECUをワークショップに送ってもらい、例のごとく任意波形発生器を使用し、エンジン回転とスロットル開度ごとの燃料と進角のデータを細かく計測してゆきます。(毎度毎度ミミタコでしょうが、これがホントに地道なマップ作りの実態なのです。)
ベースマップが出来たら、次はハーネス製作。
モタード車に限らず最近のバイクは本当に土地代高くて大変です。まして、オフロード車は究極のミニマム・レイアウト。
どこにECUを置けばいいんだーっ!?
↓ ここしかありません。
ECUの取り付けプレートは鈴鹿ディライト謹製です。
2月、極寒の仙台ではじめての火入れです。 なぜ仙台か? それはまた別の機会に。
仙台のフクダテクニカさんのシャシーで始動。 寒いし、キックだし、始動は大変?と思いきや恐るべしマイクロテック。始動はすこぶる快調。
じっくり作りこんだベースマップを注入してエンジンテスト。 良い感じに回ります。 決して寒いからだけじゃなく馬力も出てます。
3月初旬、シェイクダウンを目前に控え、鈴鹿の「セレクション」さんのワークショップをお借りしてECU、ハーネス、ロガーの取付を行いました。
ハーネスはロードのバイクに比べたらコンパクトでいいのですが取り回すスペースもこれまたコンパクトだから結局レイアウトはパズルです。
ところで、鈴鹿のセレクションさんには今回はじめてお邪魔したのですが、モタードやモトクロス、エンデューロ、などオフロード系に特化したとてもマニアックなお店で、社長の木村さんもとってもフレンドリーで楽しい方です。 三苫号のECU取付の際もいろいろわがままを聞いていただきました。
ホームページはこちら ↓
セレクションのブログ=>「セレログ」も楽しいので覗いてみてください。 ミトマックス情報もあります。
そんなこんなで、なんとかかたちになりました。 狭いながらもロガーまで取付できました。 ホッ。
後はシェイクダウンを待つばかり。
レイクラフトの今年の新プロジェクト 発表!
それは モタード です。
なぜに今モタード?なーんて言っているそこのあなた! モタードの魅力を知らないでしょ。 フフフ・・・
かく言う私も実はちょっと前までは、えぇーっモタード??(¬_¬) 面白いの?? だって泥んこだし・・・と行かない口実を並べ立てていました。
ところが一度モタードの走行を見たとたん、ビビビッときましたねぇ。 ナニこれ!スゴーイ!カッコイイ!アグレッシブー!
ロードのスピード感とダートのワイルド感。 たまりません。
モタードに取り組むきっかけは、一年ほど前、あるモタードライダーからの一本の電話。
モタードのバイクをECUでもうちょっと何とかしたいというご相談でした。
そのライダーこそが、MOTO1オールスターズで活躍するモタード界の大御所、MITMAX(ミトマックス)こと三苫進選手です。
あれから約一年、モタードの事情に全く疎かったレイクラフトでしたが、三苫選手にモタードのことをいろいろ教えていただきながら念願かなってのシェイクダウンにこぎつけました。
実を言うと、ロード以外のカテゴリーにも以前から興味はあったのです。 というのも、レイクラフトで取り扱っているマイクロテックのECUはこちらのコラムでもずいぶんいろいろな車種に展開してご紹介してきましたが、これまでは全部オンロードバイク。
でも、マイクロテックのECUのラインナップを見るとオフロード車用のECUそれもプラグイン(純正のECUに置き換えるだけで取り付けられるタイプ)が各種取り揃えてあるのです。
M222 Honda CRF用
M206 Suzuki & Kawasaki 用
M234 Husqvarna 用 (MIKUNI ECUモデル用)
マイクロテックのお膝元のイタリアひいてはヨーロッパでは、何と、オフロードバイクに汎用ECUを付けるのはごくごく当たり前のことなのです。
それもプロクラスのライダーだけでなく、週末のライディングを楽しむサンデーライダーも積極的にECUを活用しているらしいのです。(日本では考えられませんね・・・) マイクロテックの社長も自身のモトクロスバイク(CRF450)にちゃんとマイクロテックのECUを付けてます。
そんな訳で、機会があったらぜひオフロードにもマイクロテックのECUを展開したいと常々考えていたところだったのです。
話しはMITMAXに戻って、いよいよ三苫号にマイクロテックを搭載!か? 実はそう簡単ではありませんでした。
というのも、三苫号はヤマハのYZ450F、マイクロテックのラインナップにはこの車両にすぐ取付できるECUが実は無かったのです。
汎用ECUを導入する場合に一番の難しい点はトリガーローターのパターンです。 トリガーローターとは点方タイミングを決定する大切な部分で、たいていはフライホイールに歯が切ってあるか、歯が付いているか、別に専用のギアがあるか、車種によって様々でまたその歯の枚数や欠歯のパターンなどがいろいろなのです。
このトリガーパターンが合致しないとそのECUでエンジンを回すことは出来なくなるわけです。
またバッテリーレスのバイクの場合、各バイクメーカー/ECUメーカーの考え方の違いによる燃料ポンプの制御方法が異なる場合もあります。
今回は出来るだけオリジナルのワイヤーハーネスを使用したかったので、マイクロテックに依頼し、M206をYZ450Fに合うように特別に設計変更してもらうことに・・・
この後の展開は次のコラムで。