ちょっとご無沙汰しておりました。
というのも、このところレースやテスト続きでほとんど旅回り状態だったので、コラムのアップが滞っておりました。
前回のコラムで紹介したBanditの鈴鹿FUN&RUNのレースの時も直前まで全日本のもてぎテストで、その後、速攻鈴鹿に行き、またまたとんぼ返りで今度は全日本のもてぎレースが7月の1週目の週末。 1日おいて、7月5日から鈴鹿入りし、今度は6日、7日と鈴鹿8耐の公開テスト、そしてその翌週の12、13、15日は、またまた鈴鹿合同テストで、ようやく厚木に戻ってきました。
今シーズンの全日本ロードレースのメインのサポートチームはこちら。
↓
”エヴァRT初号機トリックスターFRTR”です。
全日本の初戦となった5月の鈴鹿2&4では、初号機の出口修選手に加え、弐号機で芹沢太麻樹選手も参戦したので2台体制! 結果は、新型ZX-10Rで、事実上のワークスであるチームグリーンの柳川選手を凌いで、初号機の出口選手が7位、弐号機の芹沢選手が6位という幸先の良い成績を修めることができました。
詳しいレースレポートなどはこちら↓のチームサイトをご覧下さい。 http://www.trickstar-racing.com/
さらに鈴鹿8耐は ↓ のメンバーで参戦。 かなり濃い~メンツです。
というわけで、耐久に向けたテストは結構大変でした。
バイク2台にライダー3名が次々に乗り換えてテスト、ロガーのデータを管理するだけでも大仕事。正直脳ミソ溶けました。ホント。おまけに暑かったしね・・・
そして、このオヤジライダーたち、コメントが厳しいーっ !!!
ライダー三人三様に、エンブレのフィーリングやTCの効き具合に細かな要求が続き、エンジンセッティングも大仕事。
でもやっぱりオヤジライダー恐るべし。 感覚の鋭さ、限られた時間の中でのセッティングの詰め方、さすがです。勉強になります。
決戦はいよいよ今週末。
TSR,ヨシムラ、HARC の鉄壁のワークス系チームに、プライベートチームがどこまで食い下がれるか! チャレンジです。
答えはSuzuki Bandit 1250でした。
何の答えかって?それはこちらのコラムを読み続けていただいている読者の方ならおわかりのはず。6月11日アップの”クイズです”のコラムの答えです。
今回は、ネイキッドにこだわり、Suzuki Bandit 1250でレースを続けておられる兵庫県神戸市の tops LIFE 今村和典さんをご紹介します。
今村さんは、10代の頃からレースが好きで好きで、20代前半までどっぷりレースに人生を捧げ(表現ちょっと大げさ?)鈴鹿選手権に参戦する選手権ライダーでした。
今、ゼッケンにしている”41”は、当時鈴鹿選手権でチャンピオンを獲った時の栄光のナンバー! ハガノリ(芳賀紀之選手ーWSBで現在アプリリアで参戦中)や、宇井(宇井陽一選手-元GPライダー、現在全日本ロードレースに参戦中)よりも「オレが先!」とはご本人談。
その後一旦はレースから遠ざかったものの、友人の誘いもあり2004年頃から再びサーキットへ。 GSX-Rなどを駆り、主にサンデーレースに参戦。 大ケガにも遭いながらもやっぱりレースはやめられない。
現在のBandit1250に行き着いたのは・・・
みんなが乗ってないクルマで速かったらエエねん!
GSFは車体がエエねん!
世界最速の水冷Banditをめざすのがエエねん!
というわけなのです。
しかし、いかんせんベースがプロダクションのネイキッドバイク。 ストレートでST600に離されてしまうのが悔しい!!!
そこで、マイクロテックのM232R 投入! シフタースイッチはスターレーンのパワーシフト。
燃料を調整してパワーベストにセット、進角を調整して開けやすくて速いバイクに仕上げてゆきます。
レイクラフトでは、ECUのセッティングに2DのCANロガーを使用しています。 GPSも内蔵されているので、ライン取りも確認でき、
早いセットと速いセットを両立。
そして、決戦は日曜日、鈴鹿FUN&RUN
ライダーも愛機も勝負服に着替えていざ出陣。
緊張の中、エンジンは小気味良く一発始動。
予選に向けてピットアウト
予選は、NK-1クラスではトップ。 総合でも6番手の好感触。 スーパーバイク系ドゥカティやKTMなど並み居る競合との混走でこのポジションはなかなかのもの。
決勝を待つ愛機 Bandit
昭和のライダー。 ポンダはここ ↓
決勝はスタートも決まり、2コーナーで4番手までポジションアップ。 西コースで6番手まで下がったものの、格上のドゥカティ1198Sと熾烈なバトル。 結果は、クラス優勝。 総合でも4位の好成績をおさめました。 拍手!!!
しかし、ファイター今村はこの結果にもまだまだ納得は行っていない様子。
頭の中にはすでに次の作戦が・・・
・・・秘密です。
戦いすんで、ようやく今村スマイルが戻りました。
今回フルコンを投入して、今まで注目していなかったいろいろなことに発見があり、Banditのさらなる進化がますます楽しみになってきました。
こういう、オトナのレースの楽しみを満喫している方、日本でももっともっと増えていってほしいですね。
レースは楽しく!
追記: ところで、以前こちらのコラムの「レースは楽しく! GSX-R編」でご紹介した、テイクアップ 田村武士さんは、見事、6月19日開催の岡山ロードレースシリーズ、マイスター/JSB1000/ST1000クラスで優勝! 自己ベストを更新といううれしいおまけ付きでした。
レースは楽しく! レースは最高!
今日ここでこの車両のカスタムの話をご紹介できることは、本当に奇跡としか言いようのないとても稀有な出来事です。
はじめにこちらの車両のオーナー様からお問い合わせを頂いたのは2009年の11月のことでした。
Ducati748SPを所有されていて、それまでEPロムの変更等で調整してこられたそうですが、どうにも納得がいかずコンピューターそのものを交換検討中ですというお問い合わせでした。
その後、何度かメールでやり取りさせていただき、マイクロテックのECUを導入していただけることになりました。
2010年3月には、手始めにラムダセンサーを取り付けて頂くようにセンサーをお送りしたり、実車をレイクラフトのワークショップまで送っていただく準備をしていただいたりと、少しずつではありましたがカスタムの段取りを進めていました。
実は、オーナー様は沖縄の方で、748SPは2010年の5月にはるばる沖縄から海を渡り厚木に到着しました。(ちょっと大げさ???)
しかし、5月といえば、すでにレースシーズンに突入しており全日本ロードレースのサポートで転戦する私たちとしては、じっくり時間を掛けて丹念にカスタムを進めたいと思っていた748SPには、ちょっと待っていてもらうしかありませんでした。
2010年のシーズンも終わった11月から、いよいよ本格的に748SPに取り掛かりました。
スタンダードのECUからベースマップを取り、ハーネスを製作し、専用のマップを作成しあとは実車への取り付けです。
2011年1月末から2月にかけて、今回もいつものように仙台のフクダテクニカさんへ車両を持ち込み、ECUのステイ製作やスピードセンサーの取り付け、シフター用の専用シフトレバーの取り付けなど、ECUを導入するのに必要な様々な作業をお願いしました。 そしてもちろんシャシー台上でのECUのセットアップについてもいつものようにご協力頂きました。
考えてみると、これまではテスタストレッタのエンジンセットは何台かやってきましたが、デスモクワトロは今回がはじめて。
Ducatiの往年の名機デスモクワトロもECUを最新のものにすることで、また新たな息吹を吹き込むことができるとすればデスモクワトロユーザーの皆さんには朗報となるはず。 チャレンジングな気持ちが湧いてきます。
マイクロテックのECUには、ノーマルのECUを置き換えるだけのいわゆる”プラグイン”のタイプが各種ありますが、さすがにデスモクワトロ系のECUのプラグインはありません。
こちらが、748SPのノーマルECUである 16M。
で、今回の手法は、ノーマルハーネスのECUコネクタに合うようにアダプタを製作し、そのアダプタにマイクロテックのM180という汎用ECUを取り付けました。
そのアダプタがこちら。 ですので、ノーマルのハーネスは一切、切った貼ったしていません。(すごーい!)
これが、今回フクダテクニカさんで製作していただいた、ECUとラムダアンプを取り付けるステイ。 ん~COOL!!!
黒いほうがECU本体で、ステイのプレートに半分沈み込むような感じでとてもきれいな収まりです。 液晶のディスプレイの付いた黄色いほうがマイクロテックの2チャンネルラムダアンプ。 ツインのエンジンはやっぱりラムダは2系統採りたいです。
こちらは、デジテックの”FALCON”ダッシュ。 以前はワールドスーパーバイクでDucatiワークスも使用していた逸品です。
CAN入力だから配線もシンプルですっきり。ダッシュのステイはオーナー作のカーボン製。
そして、こちらはリヤのスピードセンサー。 車速表示用途だけでなく、車速によるラム圧補正、ギアの認識など今やスピードを正確に計測することは大前提の必須項目です。
最後に、こちらは以前コラムでもご紹介したシフター用のスイッチ付きシフトレバー。 レーサーシフト(レバーを踏んでシフトアップ)専用ですが、作動は確実です。
次は、いよいよシャシー台に載せてセットアップ。 準備してきたベースマップを元に何度かセット替えをしながらセッティング。
山、谷のないスムーズなパワーカーブで、なかなかの出力となりました。 始動性も文句なしです。
後は納車を待つばかり。
2D BigDashユーザーの皆様。 大変お待たせいたしました。
BigDashディスプレイ用の保護カバーが完成いたしました。
素材はポリカーボネイト製で、大事な液晶画面を悲しいクラッシュからしっかり守ってくれること請け合いです。
ポリカ製でありながら、透明度が非常に高く、ディスプレイの視認性をまったく妨げません。
装着するとこんな感じです。
また、2DのBigDashディスプレイが標準で装備されている”BMW HP2”ユーザーの方にも是非オススメ致します。
取り付けはとっても簡単。 ディスプレイに絶妙にはまるサイズになっているので、被せてから側面を何箇所かテープで止めればOK.
販売価格は¥9,800 (税込¥10,290)。
お求め、お問い合わせは下記メールアドレスか、お電話で。
TEL: 046-200-7490