RaycraftではオリジナルECUであるM232Rで便利に使えるデータロガーと
空燃比システムを設定したいと考えていました。その結果
2D GPS-Memory Lite2 と 2D-Interface Box という商品を設定し
ました。これらの商品は2D製品としては今までにない低価格でありながらも今
までのmotoGPクオリティが継承されています。
今回はこれらの製品でどの様なことが出来るかを簡単に説明したいと思います。
1)2D GPS-Memory Lite2のみで使用する場合
この場合、2D GPS-Memory Lite2 はCANロガーなのでマイクロテック、マレリ
モーテック、ネメシス等のCANでデータを出力しているECUおよびCAN出力空燃
比システムなどとの組み合わせが可能です。
マイクロテックのM232RやマレリのSRTE/MARVELは前後車速や前後サスス
トロークのセンサーをECUに直接入力出来てかつそのデータをCANで外部に出
力出来るので2D GPS-Memory Lite2 だけで一般的な計測がこの1台で完結
することが可能です。
また2011年のKAWASAKI ZX10RのキットECUは以下のデータをCANデー
タとして出力しているので汎用ECUと同様に2D GPS-Memory Lite2 を有効
に活用することが出来ます。
–ZX10R Kit ECU CAN 出力チャンネル–
1)エンジン回転数(rpm) 2)スロットル開度(%) 3)水温(℃) 4)吸気温(℃)
5)パワーモードセレクトレベル 6)トラクションコントロールレベル
7)ギアポジション 8)前輪車速 9)後輪車速 10)シフトカットフラグ
11)ピットリミッターフラグ 12)バッテリー電圧 13)ダイアグフラグ
以上のような項目がすべてCANラインでロガーに入力されるので配線は格段に
シンプルになります。ちなみに以上の項目を計測するのに必要な線の数は4本
です(12V,GND,CAN-Hi,CAN-Lo 計4本)
2D GPS-Memory Lite2 (基本ソフトウエア付属)—–¥168,000(税別)
2)2D GPS-Memory Lite2+Engine Interface Box の組み合わせで使用する場合
Engine Interface Boxとは1チャンネルの空燃比計とデジタル入力2チャンネル
とアナログ入力4chが1パッケージになった商品です。
各チャンネルの出力はすべてCANなので記録は2D GPS-Memory Lite2にCAN
データとして転送します。
したがって2D GPS-Memory Lite2 + Engine Interface Box との組み合わ
により以下のような計測が可能となります。
1)ECUからのCANデータロギング(マイクロテック/マレリ/2011ZX10RKitなど)
2)Engine Interface Boxからの1空燃比/4アナログ/2デジタル入力のロギング
Engine Interface Box の具体的な使い方としては
空燃比チャンネル—-1系統
デジタルチャンネル—2チャンネル
RPM(タコメーター信号より)、フロント車速、リア車速、より2チャンネル選択
アナログチャンネル—4チャンネル
ストロークセンサー、スロットルセンサ、ブレーキ圧センサ、水温、油温、吸気温など
Engine Interface Box(ラムダセンサ別売り)———¥128,000(税別)
ラムダセンサ————–¥25,000(税別)
これらのシステムの組み合わせであれば、エンジンデータ、サスデータ、GPSに
よる車体動態データが計測可能となります。またこのGPSによる車体動態データ
には車体の前後Gや車体のバンクアングルが含まれています。このバンクアング
ルは最大最小値といったポイント的な値ではなく連続的なデータなので車体の倒
しこみのタイミングやスピードが明確に把握できます。また各ラップの重ね合わせ
もワンクリックで行うことが出来るのですばやくラップ比較することも可能です。
またGPSによるスピードはバンクアングル等で表示スピードが変わることがない
ためコーナリング中の正しいスピードを得ることが可能となります。