今回は今シーズンから発売のマイクロテックの新しいECUモデルM232Rと2Dの新しいデータロガーのユーザーをご紹介します。
兵庫県姫路市でバイクショップを経営する傍ら、岡山国際サーキットを中心にレース活動をされている、テイクアップ OIRF 国際A級ライダーの田村武士さんです。
田村さんのSUZUKI GSX-R1000は、実は先シーズンからレイクラフトも密かに注目していた車両でした。というのも、全日本スポット参戦のプライベータGSX-R1000でありながら、トップスピードはランキング上位のGSX-Rを凌駕するほどで、その速さの秘密を知りたくて岡山でピットにお邪魔した程でしたし、イトシン(伊藤真一選手)も、「速いGSX-Rがいるんだけどあれは誰?」と言っていたらしいです。
田村号GSX-Rはこだわり満載です。特に排気系はさまざまな仕様をトライし、速さに挑戦!
電装系も昨シーズンはヨシムラのEM-Proで燃料と進角を調整、バサーズでTCとシフターを管理、データロガーはHRCロガーを装着と、相当の凝りようでしたが、かなりの”具沢山”になっていたのも事実でタンク下の臓物はかなりのものでした。 (失礼 m( _ _ )m )
また、これだけの電装部品を装着しても、EMーProでの調整には限界があり、バザースのシフターはショートシフト(短時間での複数ギアのシフトアップ)に難があったりと、なかなか思うようにならない悩みもあったそうです。
今シーズンは、マイクロテックの新型ECU M232Rを搭載。 データロガーは2Dの新型ロガーであるGPS内蔵メモリモジュールに、1チャンネルのラムダアンプ内蔵のエンジンインターフェイスを組み合わせて装着し、ECUからの制御データをCANデータでメモリモジュールに取り込み、さらに、A/Fと前後サスペンションはエンジンインターフェイスで計測してこちらもCANデータにしてメモリモジュールに送り込んで計測するというまさに計測のカッティングエッジ状態になりました。そして、ロガーで計測したA/F値を用いてECUが空燃比のフィードバックを行っているのです。
マイクロテックのECUにしたことで、エンブレのフィーリングがかなり改善し乗りやすくなったとのコメントを頂きました。
マイクロテックECU M232R
2D GPSメモリモジュール
2D エンジンインターフェイス
これでシート下は見違えるほどスッキリ!になりました。
そして田村号にはさらなるこだわりが・・・
メーターは2DのBigDashディスプレイ。 左ハンドルにはワールドスーパーバイクなどで多数のチームが使用している、TCアップダウンボタンなどのついたスイッチユニット。(画像上)
通信ケーブルの収納は誰もが頭を悩ます部分ですが、シートレール下部にジュラコンを削った専用ソケットを作るこだわりよう。(画像下)
ハード的にはかなりゾーンに入ってます。
そして、テイクアップ田村号の秘密は実はもうひとつ。 それは、メカニックの上月氏。(すみません写真撮り損ねました。)
上月さんの辛口コメントが良くも悪くも田村さんに刺激を与え、二人の絶妙なコンビネーションと深い信頼関係が際立っています。
今シーズンの事実上の全日本ロードレース開幕戦となった鈴鹿2&4では、自己ベストを大幅に更新。決勝では終盤で惜しくも転倒リタイヤとなったものの手応えは十分で、本拠地岡山でのレースが楽しみになってきました。
二人の合言葉の「レースは楽しく!」を文字通り実現されています。